なるほど神奈川Web版情報誌 No.305 2026年 8 月 6 日発行

No.305

2026年 8 月 6 日発行

国連のSDGsパートナーシップに真鶴町の『素陶美 MOMOYO STOBY FASHION』が認定 ~忘れられた織物を持続可能なファッションにアップデート~

神奈川県真鶴町の「素陶美 MOMOYO STOBY FASHION」の代表、ストービー百代さんに国連の担当者からサステナブルファッションの分野でSDGs公式パートナーシップとして認定された、というメールが届いたのが2026年5月14日。現在、国連ホームページのSDG Actions Platformに、素陶美 MOMOYO STOBY FASHIONの概要や取り組みがニューヨークのファッションウィークに出展した際の写真などとともに掲載されています。(写真・前列左から3番目が百代さん)

『信じられなかったです』とメールを手にした瞬間をにこやかな表情で振り返る百代さん。神奈川の小さな町の真鶴で、一人で手掛けている作品が国連に評価されたことに驚いたと話します。パートナーシップに認定されたことにより、今後、国連のサステナブルのロゴを使用できるようになりました。SDGsの17目標のうち、「5」(ジェンダー平等を実現しよう)、「8」(働き甲斐も経済成長も)、「11」(住み続けられるまちづくりを)、「12」(つくる責任 つかう責任) —の4つが対象になるという衣服や雑貨は、「作り手だけではなく、購入してくださった方もSDGsの協働者ということになりますよ」と紹介してくれました。

 

昭和の手ぬぐいやのぼり旗を一点ものの衣服やバッグに仕立てる ストービー百代さんの世界 「どんなに古い布も主役になれる」

 

ストービー百代さんの作品の材料は、昭和時代等の会社や店舗・団体名などが入った手ぬぐいやのぼり旗などの古い布で、バッグ制作には店のマッチ箱の図柄も取り入れます。素材収集のためにSNSで呼びかけ、メルカリなどでも探しますが、この調達が一番の課題だといいます。文字が面白い古い布も汚れがあると、柿渋染めや弁柄染めを施し手間をかけて再生します。そうして集まった味わい深いヴィンテージの布たちは、百代さんの手により、時を超えて二つとない現代的な作品に仕上がっていきます。
「作品にはそれぞれの物語があります。例えば、手ぬぐいに描かれた店名や電話番号には生活の証があります。私のデザインの多くには、日本語の文字やイラストによるユーモアがあり、それが自然と人を笑顔にします。布には生きた時間や記憶があり、どんなに古い布も主役になれます。日本の古い布や手仕事の魅力を、ファッションを通して国内外に伝えていきたいという思いから活動しています」。

 

英語塾から、世界に販売するファッションブランドへ 真鶴町商工会に入会し、経営指導員が販促を後押し

 

百代さんが、夫と息子とともにカナダから生まれ故郷の真鶴に越してきたのは21年前。子どもを対象にした英語塾を開いていましたが、新型コロナ感染症の流行により対面指導が難しくなり、経営について相談しようと2021年に地元の商工会に加入しました。そこで担当になったのが相野谷臣経営指導員でした。

百代さんはちょうどその頃、英語塾の他にも、もともと自分用に作っていたサステナブルファッションが海外旅行時に好評だったことから、「着ているおかあさんがこんなに幸せそうなのだから、他の人にも届けたらどうか」と息子に勧められ、衣服・雑貨を制作販売するファッション部門を立ち上げていました。
相野谷経営指導員は相談を受けるなかで、素陶美 MOMOYO STOBY FASHIONの強みは海外向けにあると感じたといいます。相野谷さんの伴走支援により、「生産量を上げる」「海外販路開拓」を目標にしました。2021年度に国の小規模事業者持続化補助金を受けて、それまでは家庭用ミシンしかなかった工房に、職業用ミシン、ロックミシン、トルソーマネキン、製品保管用の陳列棚などを購入しました。また、海外向けの広告も出稿することができました。一方で、家族の協力を得て、フェイスブックやインスタグラムを開設し、ホームページ(オンラインショップ)を整備しました。

 

北米最大規模のニューヨークナウの神奈川ブースに出展 手づくりの循環型ファッションに反響広がる

 

そのようななか、神奈川県が海外展示会のプロモーションの機会を提供し、北米市場での生活雑貨やファッション衣類等の販路開拓を目指す県内企業を支援していることを知ります。県が募集する「NY NOW 2025 SUMMER」に応募したところ採択され、会場内の神奈川ブースに10点の「素陶美 MOMOYO STOBY FASHION」を展示しました。作品は完売し、予約が次々に入るという想像以上の手ごたえを感じることになりました。
この展示会はBtoBの商談を中心としており、2万人を超える現地バイヤーなどが来場する北米最大規模のものです。
会場での展示販売がきっかけとなり、ニューヨークのファッションウィーク ブルックリンの関係者から声がかかり、「Fashion Week Brooklyn 2025秋、2026春」のランウェイで、デザイナー・MOMOYO STOBYのファッションを発表するという機会を得ました。その後、このときの様子(記事冒頭の写真)や作品づくりへの理念をまとめ、国連のパートナーシップ枠に申請しました。提出書類を揃えるのは英語が堪能な百代さんであっても大変だったといいます。今回の認定を受け国連のホームページに掲載されると、2026年2月に紹介した米国の雑誌「(the)MAGAZINE」が、再びそのことを記事にしました。
また、欧州の写真雑誌から撮影時の作品貸し出しの依頼がくるなど、徐々に反響は広がり、ニューヨークのラップシンガーとのコラボレーションやカナダの大学生からサステナブルファッション研究における連携協力の依頼もありました。

 

将来、地元の女性たちのショートワークの場に

 

現在、百代さんのオンラインショップに入る注文はシンガポールやアメリカ、カナダなど7割が海外からになります。一つひとつが手づくり品で制作に時間がかかるため、所属する商工会女性部の部長に手伝ってもらうことも。神奈川県で唯一の過疎地域である真鶴町。事業が順調に進んでいけば、「古布に知識がある高齢者や女性とともに衣服を作ることで、ショートワークの機会を設け、地域活性化へ貢献していきたい」と夢を抱きます。

■素陶美 MOMOYO STOBY FASHIONのホームページ
https://ja.momoyostoby.com/
電話080・2012・1486

真鶴町商工会/神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1875-6
電話0465・68・0033

訪ねて商工会 NO.1 藤野商工会

藤野商工会は、1961年(昭和36年)に藤野町商工会として設立しました。2007年(平成19年)に藤野町が相模原市と行政合併したため、2010年(平成22年)に、現在の「藤野商工会」に名称を変更しました。
神奈川県内には19の商工会がありますが、最も北側に位置する商工会です。JR中央本線の藤野駅に降り立つと、徒歩1分で藤野商工会館に着きます。会館前の花壇にはアジサイの花が色とりどりに咲き、入口には「里山からの贈り物 ゆずの里藤野」の特産品を紹介するのぼり旗が立てられています。
会館の会議室で、小山秀文商工会長(写真)に話をうかがいました。

 

検討から30有余年 地域振興ビジョンの確かな歩み

 

地域のゆずを使った特産品開発が始まったきっかけは、1994年度(平成6年度)に旧藤野町商工会が作成した「地域振興ビジョン」に端を発します。検討会を経て2年後の1996年度に商工会に「地域振興ビジョン推進委員会」が設置されました。さらに2年後には町おこし会社の検討が始まり、最初の特産品となる「藤野ゆずワイン」が開発販売されました。その後、「藤野ゆず坊サイダー」「藤野ゆずシャーベット」が開発され、2002年度(平成14年度)に味付けポン酢「藤野ゆずの尊」が加わります。現在は、「藤野ゆずこしょう」「藤野ゆずジャム」も開発商品にラインアップしています。2005年(平成17年)には、藤野商工会などが出資し、藤野地域の特産品の製造販売をする町おこし会社・有限会社ふじのが設立されました。同社は商工会からの開発商品の提案を受け、企画や製造販売などの実務を担っています。
小山会長は、「なかでも、『ゆずの尊』はヒット商品になりました。多方面からの引き合いがありますが、ゆずの収穫量からどうしても限定数での販売になってしまいます」。「私は、このゆずの尊をメンチやコロッケ、卵かけご飯にもかけます。餃子には、さらに『ゆずこしょう』を合わせるとおいしいですよ」とおすすめの食べ方を紹介してくれました。
ゆずポン酢を開発する際に、藤野のゆず果汁を分析したところ、「酸味が少なく糖度が高くてまろやか」なことがわかりました。「日当たりのいい場所での栽培がこの地域のゆずの特徴につながっています」。ゆずの木は、もともと桑畑からの転作等により農家が自家用で栽培していましたが、『開発商品』が順調だったことから、地域内での植栽が進み、現在は約4,000本が植えられ、年間約8万トンのゆずの実を収穫しています。

 

アートのまちに、移住者が集まる 会員組織率が高い商工会

 

藤野地域は、芸術家が多く住む『アートのまち』といわれています。人口が約8,000人で、そのうち移住者が800人、芸術家が300人を数えます。小山会長が旧藤野町の最後の町議会議長を務めていた2004年度に、「藤野『教育芸術』特区」が認定され、小中一貫校の学園の誘致が図られました。現在は人口の約1割が移住者になっています。 藤野商工会では伴走型の経営支援に力を入れており、会員組織率は86%、県内でも高い数字になっています。

 

2025年 商工会青年部全国大会で優秀賞

 

第25回商工会青年部全国大会・岩手大会(2025年11月26日・27日開催)で行われた主張発表大会で、関東ブロックを代表して出場した藤野商工会青年部の山﨑勇貴さんが全国2位の優秀賞を受賞しました。※商工会青年部は商工会を形成する1部会です。
山﨑さんが発表したテーマは『里に灯る交わりの竹あかり』。2025年7月6日から13日まで、同青年部が50周年事業として藤野駅周辺で開催した竹あかりイベント「FUJINO BAMBOOARIUM」について、取り組みの背景や思い、地域とのふれあいなどを述べたものです。相模湖で釣り船と宿を営む3代目の山﨑さんは、湖の漁獲量が減ってきたのは山に問題があると考え、青年部とともに放置された竹林を整備し、切り出した竹で明かりを灯すイベントを行い、最後に竹炭にして山に戻すという循環型の事業に取り組みました。その実例をとおして、「地域の課題が人を動かし、まちを耕し、心に火を灯す。未来に向けてともに明かりを灯していこう」というメッセージを会場に伝え高い評価を得ました。
小山会長は、「ここの会館で主張大会に向けて練習していた時に聞いたが、その場で手ごたえを感じました」と顔をほころばせました。

 

自主財源の確保につなげる

 

賀詞交歓会をはじめ商工会の懇親会は、「藤野ゆずワイン」で乾杯するなど、年間のスケジュールのなかで、ゆずの特産品はすっかり地域に根付いています。
「ゆずの木は年数がたつと大きくなるので、高齢者の収穫作業が大変になってきます。これからは青年部に協力してもらうなど対策を考えていかないと」と小山会長。
有限会社ふじの、の加工場には、地域の小学校児童が校外学習で、また学園高等部の生徒が職業実習などで訪れます。合併後は相模原市の北の玄関口となった旧藤野町。商工会が地域振興ビジョンの目的である「豊かな生活環境、活力ある産業開発」を積み上げてきた実績は、運営に係る自主財源の確保にもつながっています。

藤野商工会:相模原市緑区小渕1689-1
電話:042・687・2138

地域商工会情報

生田緑地のフェスで「温泉の素 湧深青(ユーシンブルー)」を紹介【山北町商工会青年部】

国籍を超えて人と人がつながる場を創出する「エングローブスポーツ&カルチャーフェスティバル2026」が5月16日に生田緑地中央広場(川崎市多摩区)で開催されました。
主催は「En Globe」。スポーツや音楽、文化、食、体験などを通して世界を感じることができるフェス会場に多くの人が集うなか、会場の一角で山北町商工会青年部(角原清志部長、41名)が自ら開発した温泉の素「湧深青(ユーシンブルー)」の販売や木工体験などのワークショップをとおして、西丹沢の山々に抱かれた森林と清流のまちをPRしました。
川崎市と同市の水源地である山北町とは交流事業を長年実施しており、事業に携わっている青年部のOBの声掛けから今回出店することになったものです。当日は青年部員やその家族など12人が参加(写真)しました。

 

ヒノキの香りがする「湧深青(ユーシンブルー)」

 

会場で販売された温泉の素(入浴用化粧品)は、山北町商工会青年部が創部50周年を記念して2020年にメンバーが米作りから始めて完成させた日本酒「湧深青(ユーシンブルー)」に続く第2弾の商品で、2025年に商品開発しました。同町に位置する丹沢の秘境・ユーシン渓谷の玄倉ダムの水の色(通称=ユーシンブルー)にちなんだもので、神秘的な色を再現しており、地元の中川温泉の温泉分析値をもとに町を象徴する自然の豊かさと癒しのイメージを取り入れたヒノキの香る入浴剤に仕上げました。同町の旅館・かくれ湯の里 信玄館が監修し、製造は長野県の会社に依頼しました。パッケージデザインを含め青年部員たちが時間をかけて試行錯誤しながら完成させたものです。商工会では「初回製造の600個を完売し、追加発注の600個がこのほど入りました。フェスではワークショップが中心でしたが、今後もこういう機会があれば商品を紹介していきたい」と話しています。

温泉の素「湧深青」は25グラム入りで200円。信玄館で販売しています。
今後は町内の青年部員事業所をはじめ、道の駅などの観光施設、桜まつり等のイベント会場でも販売していく予定です。

商品に関する問い合わせは、山北町商工会(電話0465・76・3451)

湯河原町商工会 地域・子どもたちの力 「全国の人に湯河原のみかんを知ってほしい」 小学生が大学生と共同開発した『みかん大福』を販売 町長に取り組み伝え、収益金の寄付託す

温暖な気候の湯河原町では、江戸時代初期頃(1688年)からみかん栽培が始まり、現在では80品種以上の柑橘類を栽培しています。

湯河原町役場に6月24日、町の特産品のみかんを使い商品開発をした湯河原町立吉浜小学校6年生児童の代表4名が内藤喜文町長を訪ね、「みかん大福」の収益金5千円を「町の取り扱いでユニセフ(国連児童基金)に寄付してください」と手渡しました。みかん大福の販売に協力した湯河原町商工会の杉山修会長も同席しました。(写真左から、内藤喜文町長、吉浜小学校の和田光平君・近藤健道君・土屋孝太君・藤井大翔君、杉山修商工会長)
土屋孝太君(6年)は、「4年生から総合学習の時間に取り組みました。湯河原のみかんを日本中の人に知ってもらいたいと思い、日本大学のゼミの協力のもとみかんのデザートを一緒に考え、みかん大福をつくりました。どこで売ろうかと思ったときにコンビニは難しかったので、町の『ぶらん市』で販売することにしました」と町長に報告しました。
内藤町長は、「町を代表するみかんのことを考えてくれて嬉しい。私も食べてみたい」と話し、感謝を伝えました。

 

町の特産「みかん」と商工会の取り組み

 

湯河原町商工会では、2017年(平成29年)から「神奈川みかんグルメ&スイーツサミット」を開催しており、地元特産の「みかん」を主役にしたグルメやスイーツによる地域振興に力を入れています。また、2018年からは日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科・産業社会学研究室と「みかんを核にした地域活性化」で連携し協力しています。

 

『みかん大福』を今年2月の「ぶらん市」で初披露

 

吉浜小学校の総合的な学習の時間で、2023年から同研究室の学生とのコラボによる「みかん」をテーマにした商品試作が進められ、大学生が考えたレシピを元に児童が実際に調理するなどし、検討を進めてきました。みかん大福は、いくつか試みたメニューのなかの一つになります。小さなみかんの白皮をむき、丸ごと白あんで包み、みかんの風味のあるオレンジ色の皮に包む和菓子です。
2026年2月22日に湯河原駅前通り明店街が開催した、「第48回ぶらん市」の湯河原町商工会のブースで「みかん大福」を1個400円で50個販売したところ、好評で午前中には完売になりました。当日は、商工会員の「和菓子処・味楽庵」がレシピに合わせて製造し、学校関係者や児童、大学生らも会場に駆けつけました。
2月は一年のなかでも収穫できる柑橘類の種類が一番多い時期であり、ぶらん市会場では、みかん農家による直売や、試食してみかんの種類を当てる「利き酒」ならぬ、『利きみかんグランプリ』なども開催されました。
先ごろ、商工会がぶらん市でのみかん大福の収益金を小学校に持参したところ、児童らは話し合い、今回ユニセフに寄付することになりました。
杉山会長は、「小学生がとてもいいアイデアを出してくれました。みかん大福をぶらん市で再び販売するとしたら、収穫時期の関係で2月頃でしょうか」と話しています。
湯河原町商工会/湯河原町土肥1-7-1
電話0465・63・0111

青年部が二宮町・社協と防災協定を結び、地域に貢献

二宮町商工会(須藤正高会長)の青年部(古澤時隆部長、部員21名)が、2026年4月28日に二宮町役場で二宮町(村田邦子町長)と二宮町社会福祉協議会(山本正博会長)との3者間で「災害時における相互協力に関する協定書」を取り交わしました。期間は2027年3月31日まで。期間満了の1か月前までに終了の意思表示がない場合は1年間更新し、以後も同様になります。
協定では災害発生時に効果的な災害救援ボランティア活動支援を行うため、相互に連携・協力する際に必要な事項を定めています。青年部は、要請を受けると組織力を活かして、情報収集や支援用物資の輸送等の協力、センターの設置や運営への人的支援を行います。また、平常時においては、訓練の実施や防災に関する啓発活動などを行います。(写真は協定式の様子)

 

協定に先立ち、青年部活動で「ビジネスコミュニティ型補助金」を活用し防災について学ぶ

 

2025年4月に二宮町商工会青年部長に古澤さんが就任したとき、頭をよぎったのは前年8月の台風10号による二宮町の被害でした。町内を流れる葛川の氾濫があり各所で浸水被害がありました。古澤さんは、所属していた平塚青年会議所が近隣市町と災害協定を結んでいたことから、二宮町のボランティアセンターに駆け付けました。
その体験から、「我々は町で商売をさせていただいている。青年部として地域の防災で何かできないだろうか」という意識が生まれたと話します。
古澤部長のもと青年部の活動テーマを『地域防災』とし、2025年度の国の小規模事業者持続化補助金<ビジネスコミュニティ型>の採択を受け、最初に取り組んだのが「青年部・女性部の合同防災研修」でした。男性目線、女性目線を生かし、災害時の簡易トイレの使い方や非常食の試食を行いました。

 

岩手県花巻市に視察研修

 

また、青年部は、同年11月に岩手県花巻市に視察研修で訪れ、地域の防災組織、自助・共助・互助について、平時の減災への取り組みについて学びました。
1・2月開催の「吾妻山 菜の花ウォッチング」では、会場の商工会ブースに研修成果等を取りまとめたポスターを掲示し、来場者に日頃の備えの大切さをPRしました。
これらの事業を通して、防災への認識を深めていくなかで今春の防災協定になりました。
古澤青年部長は「親会(二宮町商工会)は事業継続力強化支援計画の認定を受けてます。青年部としても『できる力』を活用して地域に貢献していきたい」と話しています。

二宮町商工会/中郡二宮町二宮1156-4
電話0463・71・1082

経営支援情報

松井先生の「なるほど!経済のはなし」 NO.1

皆さん、初めまして。
今月から本欄でコラムを執筆することになった、松井と申します。

「経済」と聞くと少し難しそうに感じますが、ビジネスを行っている皆さんにとっては避けて通れない分野です。特に今回取り上げる「為替」や、GDP等の指標を基に景気や経済の先行きを予測する「マクロ経済」の視点は、経営判断を行う上で非常に重要になります。

私自身、大学で経済を専門に学んだわけではなく、社会人になってから仕事や資格取得のために勉強を始めました。つまり、皆さんより少しだけ早く経済学に触れた人間にすぎません。本コラムが経済に興味を持つきっかけとなり、日頃見聞きするニュースや新聞記事を理解するための「補助線」としての役割を果たせれば嬉しいです。

第1回で取り上げるテーマは、「為替=円高が良いのか? 円安が良いのか?」です。

このコラムを執筆している2026年6月初旬現在、ドル・円レートは1ドル=160円前後で推移しています。過去の歴史を振り返ると、1995年の1ドル=79円、2011年の1ドル=75円といった「超円高」時代や、1971年までの1ドル=360円という固定相場制の時代がありました。そうした極端な例を除けば、2013年から2021年頃まで続いた「1ドル=100円〜115円」という水準が、輸出・輸入企業双方にとって、そして輸入品に多くを頼る私たちの生活にとっても、事業計画が立てやすく暮らしやすいレートだったのではないでしょうか。

その裏付けとして、IMF(国際通貨基金)等の国際機関が発表している「購買力平価(国別の物価水準を比較して算出する為替レートの理論値)」も、1ドル=100円前後とされています。つまり、現在の1ドル=160円前後というのは大幅な円安水準であり、海外と比べて日本の物価が相対的に安くなっている状態と言えます。

ここで改めて、円安と円高のメリット・デメリットを整理してみましょう。

◇円安のメリット
・輸出企業の価格競争力が向上する
・インバウンド客が増加し消費が潤う
・海外からの対内投資が増加する
◆円安のデメリット
・輸入資源(石油等)の価格が高騰し生活費が上昇する
・輸入企業の調達コストが上昇する
・ドル建て換算での日本のGDPが目減りする
◇円高のメリット
・輸入資源の価格が下落し生活費が安くなる
・輸入企業の調達コストが下落する
・ドル建て換算での日本のGDPが増加する
◆円高のデメリット
・輸出企業の価格競争力が低下する
・インバウンド客が減少し消費が落ち込む
・海外からの対内投資が減少する

現在の日本の置かれている状況から、今後の方向性を考えてみます。

◎日本の経済構造
2025年の日本の外需(財・サービスの純輸出)がGDPに占める割合は約18%前後であり、基本的には内需主導型の経済です。そのため、足元ではまだ「輸出で稼ぐ」よりも「国内で稼げる」状況にあります。

◎将来的な市場の可能性
一方で、日本は少子高齢化による生産年齢人口(≒働き手・消費者)の減少が進んでおり、中長期的な国内市場の縮小は避けられません。将来を見据えれば、海外市場で稼ぐためのシフトチェンジが不可欠です。

この2点を踏まえると、「内需型から徐々に外需型へ事業をシフトしていく」という戦略が、日本企業にとっての大きな方向性となるのではないでしょうか。

今後、為替相場がどのように変化するかは誰にもわかりません。「円高と円安、どちらが良いか」に絶対的な正解もありません。だからこそ、経営層やビジネスパーソンには以下の2点が求められます。
・為替相場を取り巻く環境が劇的に変化する時代であることを認識する
・日本経済の状況変化に応じ、国内重視か海外重視か、事業の軸足を柔軟に調整する

為替の影響を完全にゼロにすることはできませんが、環境変化にいち早く適応し、柔軟な戦略を描くことは可能です。

次回のコラムでも、皆さんのビジネスのヒントになる経済の読み解き方をお届けします。

<執筆者>
コンサルタント 松井 俊輔 氏
岡山大学教育学部総合教育課程情報教育コース卒。輸入CD販売業にて店舗運営、販売企画、PCソフトウェア製造販売業にてカスタマーサポート、製品試験、販売企画に携わった後、約17年間、公的支援機関において中小企業の経営支援に従事(法律・補助金等の施策設計および運用、国内・国外での展示会運営、中国・上海での小売店舗運営等)。国家資格キャリアコンサルタント。1級販売士。国内旅行業取扱管理者。Googleデータアナリティクスプロフェッショナル。
https://niigata-ipc.or.jp/support/agent/

施策情報

「神奈川県賃金アップ支援金」~神奈川県が賃上げを後押し~

本支援金は、人件費の上昇や物価高騰などによりコスト負担が重くなる中にあっても、賃上げに積極的に取り組む事業者を支援し、労働者の賃上げを図ることで、賃上げに向けた機運を醸成することを目的としています。

支援対象となる事業者は、神奈川県内に事業所を有する中小企業者等で、
従業員に対し、令和8年4月1 日から同年9月30 日までに一定額以上の賃金引上げを実施し、
申請日時点で賃金の引上げが継続していることが必要となります。

交付額は、1時間当たり50円以上の引上げを行った場合、従業員1人につき5万円、交付上限額は250万円(50人)、従業員1人につき100円以上の引上げを行った場合、従業員1人につき10万円、交付上限額は500万円(50人)となっています。

ご相談は、お近くの地域商工会にもご相談ください。

申請、詳細は以下ホームページよりご確認ください。
神奈川県賃金アップ支援金